2.HACCPは難しい?~HACCPとのつきあい方~

HACCPに沿った衛生管理」の導入にあたって、
「難しくてどうやったらよいかよくわからない」
「高額な費用が心配」
「HACCPの資格や特別なスキルなどを持っていない」
「事業者にとってのメリットがわからない」

の声をよくお聞きします。
今回は、HACCPと上手く付き合っていく方法をお伝えしたいと思います。

 

1.複雑で難しいものではありません
一般飲食店や小規模の食品等事業者においては、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入していただくことになります。(【1】Q4参照
これは、正式なHACCP(コーデックスHACCP)「7つの原則12の手順」を弾力的に運用したものになっています。

「弾力的」の適切な解釈は難しいですが、今まで事業者や店長さん、食品衛生責任者の方が実施してきた衛生管理方法を文書化する、すなわち
「見える化」を図ろうということが最大のポイントです。

こうすることで、関係者全員が、衛生管理の内容を共有できるようになります。すなわち、一から全く新しいことを始めるものではなく、今まで行っ
てきたことを一歩先に進めましょう
ということであり、決して難しいものではありません。

2.多額の費用がかかるものではありません
厚生労働省のHACCP関連Q&Aには、「HACCPは工程管理、すなわちソフト(取り扱い)の基準であり、施設設備の整備を求めるものではなく、
現行の施設設備を前提とした対応が可能」となっています。
もちろんHACCP導入の際に事業者自らが施設等の整備することを妨げるものではありませんが、基本的な考え方は上記の通りです。

3.実行される方に特別な資格やスキルは必要ありません
先述しました通り、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は今まで実施していることの延長線上にありますので、事業者の方や食品衛生責任者
には容易実行できるものです。
むしろ、食品を取り扱われるアルバイトの方も含め、全員参加で取り組まれることこそ、施設全体の衛生向上につながると考えられます。

4.導入の効果はいろいろあります
単に法律で定められたから導入するだけでなく、「期待した効果が実際にあった」というアンケート結果があります。
「品質・安全の向上」「従業員の意識向上」「クレームの減少」は、特に事業者が強く望んでいる効果です。
そのほか、営業的には「製品ロスの削減」「信用度やイメージの向上」が、そして「保健所や顧客に的確な説明ができる」など さまざまな効果が
見込まれます。

いずれにしましても、「案ずるより産むが易し」。まずは実際に行ってみることが大切です。
最初から100%上手くできないこともあると思いますが、その時は都度修正すればよいことです。
「HACCPと上手く付き合う方法」とは、「まずは実践してみましょう!」ということではないでしょうか。

【データー引用】
政府統計の総合窓口 e-Stat(外部リンク)
令和元年度食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査(外部リンク)